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評価報告
2024.04.12
令和5年度自己評価・学校関係者評価報告
【本園の教育目標】
仏教保育の理念に基づき、いのちを生かし、共に生きることのできる子どもたちを育てる
「明るく 正しく 仲よく」
【令和5年度重点目標・計画】
幼児同士・幼児と保護者・幼児と教職員の関わり(対話)を大切にしながら、遊びと生活を通して、共に育ち、共に生きる幼稚園を目指し、以下の重点に基づき教育を推進する。
*満3歳組:
・生活や遊びの中で自分の思いを様々な方法で伝え、安心して過ごす。
・園での集団生活について知り、保育者やお友だちに親しみを感じ、仲良く遊ぶ。
*年少組:
・安定した生活の中で、自分の好きな遊びを見つけてじっくりと取り組み、
自分の思ってることや困っていることを相手に伝える。
*年中組:
・クラスのお友だちについて、一人一人の良さを知り、気持ちの伝え方や様々な関わり方に気づく。
・遊びを展開する中で、思いやイメージをことはで伝え合い、
皆と一緒に遊びや活動を進めるようになる。
*年長組:
・遊びや行事に向かって、その時々の状況を理解し、目標を達成したり問題を解決するために、
互いの意見を聞いて尊重しながら話し合う。
*保護者との連携:
・コロナ禍で様々な変化を迎えた園生活(行事の取り組み)について、
園の思いやそれに伴う子どもの育ちについて、丁寧に発信する。
【評価項目の達成・取り組みの状況】
A:達成している B:一部達成している C:一部改善を要する D:改善を要する
(1)教育内容
①健康:B
・食事のマナーは身についたが、スプーン、フォークを自分で持って口に運ぶ経験が少ない子が多く援助が必要であった。
・「自分で鼻をかむ」という習慣がつくよう、その都度知らせて行き、多くの子が自分で気がついてふけるようになった。
・挨拶や登降園の身支度など、基本的な生活習慣が身に付いた。手洗い、うがい、衣服の調節などをして、病気の予防をしたり、マラソン等戸外で身体を動かすようにした。
・衣服の調節や手洗い、うがいなどを進んで行えるようになった。行事前など、時間の工夫をしないと外遊びなどの時間を十分にとることが出来なかった。
②人間関係:A
・お友だちの名前を覚え、積極的にお友だちの遊びの中に入って過ごす子が多かった。
・保育者との関係を十分に築いたうえで、少しずつ友達に興味や関心が持てるよう機会(遊びや席替え)を設けていった。次第に仲を深めて行き、子どもたちだけで遊べるようになっていった。
・ルールのある遊びなど、自分たちで遊びを進めることができるようになった。一方で自己主張の強い子どもに対して、意見を言えない子がいたのでお互いの意見を聞くよう促していった。
③環境:A
・野菜や果物など収穫したものを皆で食べて楽しめた。
・花や野菜などの世話をして、成長に気づき喜ぶことができた。芋ほりやどんぐり拾い、雪遊びなど、環境の変化に対応し、その場面ごとを楽しんで思い出しながら、友達と話を広げる様子が見られた。
・日常生活の中で、文字や数量などに関心を持つことができた。
④言葉:B
・保育者や友達に手紙を書いて、文字などで伝える楽しさを味わった。
・「貸して」や「入れて」等遊びに必要な言葉を知らせ、子ども自ら使う場面は見られたが、遊びのなかでの意思疎通が難しい場面も見られた。
・言葉で伝えられない子は指を指したり、その場に連れて行って伝ええることができた。
・絵本や紙芝居などをじっくり見たり、休みの日の出来事を伝え合ったり、子どもたち同士で当番インタビューを進めたり、幼稚園生活の様々な場面で言葉での伝達が育つ様子がみられた。一方で自分の思いを表現することがまだ難しい子もいる。
⑤表現:A
・廃材遊び、壁面飾り、お遊戯会など、新しいことにも進んで取り組み、イメージを表現することの楽しさを感じることができた。自分の作品を友達に紹介したり、上手にできた成功体験を積んだ。
・部屋遊び用の学期を用意し、ピアノに合わせて鳴らしたり、音楽に合わせて踊ったりと自由表現が楽しめるようにし、友達と楽しむ姿が見られた。
⑥インクルーシブな取り組み:A
・製作などの活動では、得手不得手を見極め、その子の今出来るやり方で進めた。
・子ども同士が声を掛け合ったり、助けてあげている。外国籍の友達に日本語を優しく教える姿も見られた。
・発達に特性がある児に対して、保育者がマイナスな対応をせず育ちを見守る姿勢を取ることで、周りの子どもたちも受け入れ、理解を持って行った。子どもからマイナスに思える意見が出た時は、全員で話し合い、気持ちを受けとめ解消していった。
⑦保護者との連携:A
・6月に開始した連絡アプリを使って、園生活の様子を文章と写真でわかりやすく伝え、子どもの情報を共有することができた。
・特別な出来事は対面で伝えることを心がけた。
【幼稚園評価の総合的な評価結果と今後の課題】
・保育者の自己評価において「工夫したこと・よくできたこと」の記述が多く、これは本年度保育者が様々な工夫をしてきた結果であろうと考える。一方で、行事の準備や設定活動の時間的な拘束で、保育者の思いが形にできなかったことを悩む姿も見られたので、限られた時間を有効に過ごす手立てを検討していきたい。
・関わりのある療育施設との連携が進んだ。個別の訪問支援指導だけでなく、園内研修を設け「子どもの発達と行動の理解」をより深めた。療育施設との連携が全ての子どもたちへの理解と対応につながるように、引き続き研鑽したい。
・アプリの導入によって、保護者への発信(ポートフォリオ・クラスだより)は写真を使用できるようになり、わかりやすくなったと好評。一方で、紙媒体での連絡が減ったので、慣れないご家庭では戸惑いも見られた。今後は、日本語での説明が必要な家庭を中心に、要不要の見極めをしながら、伝達の不備が起こらないように心がけたい。
・課内特別活動である英語、体操、絵画、リトミックの活動は、講師との連携を密にすることで、日頃の生活からかけ離れず、今の子どもたちの育ちや興味に合った活動が行えるようになっている。また、興味を持った活動については、各クラスで継続したり、深めたりする姿も見られ、運動会や作品展などの行事に展開していく姿も見られた。今後も、講師の専門性や人柄を活かして、子どもたちの興味や関心を広げるきっかけに出来るようにしたい。
・出生数の減少や保育所の増加により、入園児数が減少している状況の中で、今後さらに充実させていく課題として以下の3点ををあげておく。
①満3歳以前の子どものいる家庭に対しての取り組み(つくし・どんぐり・ふたば・遊びの会)。
②両親が就労している家庭が増加する中での預かり保育の充実。
③支援が必要な幼児の増加に伴う保育の工夫。
・様々な保育クラスが設置される中、園の方針が浸透しない様子も見られた。子どもの育ちを最優先することを忘れることなく、そこに携わる教職員が互いの立場を尊重しながら意見交換する場を設け、風通しの良い組織を目指す。
【学校関係者評価委員会の評価】
・6月から保護者との連絡方法がデジタル化されたことは、多国籍化や両親の就労状況などの変化に対応が出来、大変好評化であったと考える。反面、アナログでの関りは、人によって差があったように思われる。昔ながらの良さがもたらした教育的効果を今一度振り返り、失くさない努力工夫をお願いしたい。
・コロナが収束に向かい、教育活動や行事内容が充実して行われたとみられる。コロナ禍で行事の内容を見直し、実施方法を工夫してきた過程を鑑み、今後も「見せるための行事」に向かうのではなく、子どもの生きる力の向上につながる行事を目指してほしい。
・外部(小学校、中学校、近隣施設など)との関わりも増えてきた。様々な人と関わることは。本園が掲げているインクルーシブ教育や地域力の向上への取り組みにもつながる。園内だけにとどまらず、可能な形で多様な価値観を取り入れていくことで、子どもが一人の市民として育つスタートとなってほしい。
・課内特別活動の英語、体操、絵画、リトミックについては、講師との連携を取りながら、子どもたちにとってより充実した体験ができるよう取り組んでいることがわかった。活動をこなすだけでなく、講師の人柄を通し、各活動の楽しさを伝えることで、子どもたちの興味関心が深まっていることは、今後の学校教育につながる学びになることだろう。