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評価報告
2022.06.16
2022年度自己評価・学校関係者評価報告
【本園の教育目標】
仏教保育の理念に基づき、いのちを生かし、共に生きることのできる子どもたちを育てる
「明るく 正しく 仲よく」
【本年度重点目標・計画】
園内外の環境を生かし、幼児同士・幼児と保護者・幼児と教職員の関わりを大切にしながら、共に育ち、共に生きる幼稚園を目指し、以下の重点に基づき教育を推進する。
*満3歳組:
・園での集団生活について知り、少しずつ慣れて楽しめるようになる。
・保育者やお友だちに親しみを感じ、仲良く遊ぶ。
*年少組:
・自分の好きな遊びを見つけてじっくりと取り組み、お友だちと一緒に遊ぶ中で、気持ちや考え方を互いに共有し合えるようにする。
*年中組:
・クラスのお友だちについて、一人一人の良さを知り、様々な関わり方を経験する。
・遊びを展開する中で、対話を通してやりとりする楽しさや困り感を味わう。
*年長組:
・遊びや行事に向かって、自分の考えに気づいたり、お友だちと協力して過ごす良さを経験する。
・得意な事、苦手な事に気づいて、力を発揮したり、乗り越えたりしながら、意欲的に園生活を送る。
*保護者との連携:
・幼児が主体的に生活するための基盤となる「基本的生活習慣」については、一人一人の経験や発達を捉え、家庭と連携しながら身に付けていけるようにする。
・コロナ禍が続いている中、行事の実施など、例年と異なることが増えていることを鑑みて、保護者の意見や要望を聞きながら進める。
【評価項目の達成・取り組み状況】
A:達成している B:一部達成している C:一部改善を要する D:改善を要する
(1)教育内容
①健康:A
・生活習慣が自主的に取り組む意欲が持てるよう、個々の発達に合わせ援助していった。
・園庭で体を使った遊びができるように、遊ぶ時間、内容などに配慮し、のびのびと過ごすことができた。
・けがにつながるような行動に対し、幼児同士が積極的に関わり、互いに助け合うことができた。
・手洗い。消毒等、自ら意識できるように表示や置く場所に留意し、習慣付くように工夫をした。
・様々な活動を通して体を動かす心地よさを感じ、意欲的に自分なりの目当てを持って、遊びの中で継続して楽しめるようになった。
②人間関係:A
・様々なお友だちと関わる機会を設けることで、クラスでの安定した関わりを目指した。それを元に、他の学年・クラスのお友だちなど、大勢の人とのやりとりを通し、多様な価値観を育てていった。
・人間関係が固定化してしまう場面も見られた。
③環境:B
・園庭の植物や虫などに親しみを持ち、季節ごとの栽培野菜や果物等身近な自然に触れることができた。また、それを通してお友だちとの会話を楽しんでいる様子もみられた。
・自然物への興味、関心は育ってきたが、途中で関心が途切れてしまい、最後まで責任をもって世話をすることが出来なかったり、自分の欲求のために雑に扱ったりする姿が見られた。効果的な働きかけが課題となった。
④言葉:C
・話し合いの場を設けたり、対話でのやりとりをしながら、相手への思いやりや、自分の意見を伝えていく必要性が感じられるように、意識的に配慮をした。
・まだまだ十分ではなく、年齢によっての課題が見られる。特に、育ちに個人差が大きく見られ、引き続きの課題である。
⑤表現:A
・日常の手遊びや体操、運動会やお遊戯会の行事など、のびのびと表現することを楽しむことができた。その中で、うまく出来ないお友だちへの思いやりも見られた。
・手紙交換を通して、自分の気持ちを相手に伝えることができた。
・工作コーナーや廃材の利用など、様々な素材に親しみ、自分の作りたいものを自由に表現できるようにした。協同製作の場面で、その経験が活かされ、1つのテーマに沿ってイメージを膨らませる姿が見られた。
⑥インクルーシブな取り組み:B
・保育者が、お友だちの良いところや頑張っているところに気づけるような関わりをしたことで、色々な発達段階の子がいることを子どもなりに理解し、関わろうとする姿が見られた。
・支援の必要な子と保育者で関わりが完結しないよう配慮した。そのうちに、子ども同士で助け合ったり、解決する姿が見られるようになり、子どもなりに補い合い、成長する姿が見られた。
・クラスでは良さが見られたが、学年全体になると、理解や共有がしきれず、トラブルが起きたり、深いかかわりにつながらずに終わってしまった。
・引き続き、適切な支援ができるように、専門機関との連携を深めている。個別の支援体制と共に、指導をクラス運営に生かすこともでき、学ぶことが多い。
⑦保護者との連携:B
・情報の発信:毎月、園便りやクラス便りを発信し、園として大切に考えていること、園児やクラスの様子を知らせた。行事の詳細など、コロナの流行等で定まらず、追加や変更の知らせが困難に感じた保護者もいた。
・面談:例年どおり、5月と12月に実施できた。必要であれば随時実施している。電話連絡や連絡ノート等も含め、十分に関わりを持ち、問題解決できるように努めている。
【幼稚園評価の総合的な評価結果】
・コロナの感染状況も見通しが見え始め、園庭の自然環境を活用した活動が色々と再会できた。子どもたちにとっては、新鮮で楽しい経験であるが、教職員にとっても貴重で必要な活動であることが、改めて感じられた。活動を通して多くの会話が見られ、子どもと喜びを共感できたことは、貴重な経験につながっている。
・これまでの関わりの少なさから、全体的に言葉でのやり取りに苦手を感じた。得意とする一定の子が意見を押しつけてしまうこともあり、意識して対話場面を増やしていくことで、バランスの良い状況を感じられるよう、引き続き環境の工夫が必要であると感じる。
・幼児の生活習慣の習熟度については、まだまだ個人差が大きく見られる。一つ一つ丁寧に見守り、自信をもってステップアップできるように援助していくとともに、家庭との連携を深めて、保護者と共に育つ必要がある。
・教員の研修体制は、昨年より充実して研鑽することができた。特に学年主任は、マネジメント分野の研修に参加し、園業務全体を把握する必要性を改めて学び、現場で生かしている。オンラインでの研修も実施されているので、必要課題に応じて、研修計画を立て、子ども理解や保育の質向上に努めていきたい。
【今後取り組む課題】
*保育の在り方(幼児への対応)
昨年の課題を受け、一人一人の幼児を理解し、肯定的に受け止めることが出来るよう、丁寧な対話とチームでの対応を心掛けた。特別に配慮が必要な幼児への理解と対応が、保育全体を丁寧に考えることにつながることもあり、専門分野との連携を大切にしながら、さらなる発達への理解を深めていきたい。
*組織運営
園業務の適正な配置が課題である。園長のみならず、マネジメントを担う主任も含めて、スムーズな業務の遂行を目指して、チームで取り組んでいきたい。
学年ごとの理解を深めるために、主任会や学年会などを実施し、園全体で子ども理解、注意すべき関わりについて共有していく。
【学校関係者評価委員会の評価】
(1)仏教保育を理念の中心に置き、地域の中でも認知度の高い歴史のある園である。コロナを通して、いのちについて考える機会をもらった子育て中の親子が、今後、幼稚園での教育を通して友だちや自然と親しむ良い経験ができるよう、引き続き考えてほしい。
(2)小学校に進学すると、人とのかかわりに悩み、登校をしぶる様子も見られるという。集団で生活すると楽しいが、困ったり悩むこともある。あたたかく見守られている幼稚園にいる間に、多様な関わりとたくさんの経験をして、困難があった時に親子で乗り越えるような力がつくことを望んでいる。多様な人との関わりや丁寧な対話など、光明幼稚園が大切にしてきたことが、卒園しても実を結ぶように発信していく工夫をしてはどうか。
(3)保護者との連携が評価されていないが、実際は前年度アンケートによる結果を受け、改善に向けて取り組む姿勢が見られている。アナログでの関わりの良さを残しながら、就労などで忙しい保護者がふえているところを受け止め、ICT機能を導入し保護者と連携が出来るよう、教職員が研鑽を積んでいるところは評価できるであろう。コロナの様子が変わり、今後ますますの連携を図り、家庭と手を取り合って子どもの育ちに活かしていくことをお願いしたい。